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日本を代表するDJ/プロデューサー「DJ RYOW」による通算11作目のオリジナルアルバム。 今作も彼にしか集結させることの出来ない総勢24名の豪華メンツを迎えた"ドリームアルバム"となっている。

 "夢"と"悪夢"――。DJ RYOWが2018年にリリースした前作「NEW X CLASSIC」からおよそ1年半ぶりにリリースした11枚目のリーダーアルバムたる本作には、そんなタイトルが付けられている。思えば、2005年にDJ RYOWが初の自身名義作として発表したアルバムには「PROJECT DREAMS」という名が冠され、彼が現在主宰しているウェアブランドも「DREAM TEAM」である。彼の活動において"夢"というものが一つのキーワードとなっていることは想像に難くない。

「今回のタイトルは、単純に言えば"夢と現実"みたいな意味。もちろん現実は見てるけど、基本的に自分の頭の中にはやりたいことしかないから。なるべく夢を見るようにしてる。でも、どっちにしてもまずは動かないと…っていうところで、今の自分の境遇とも重ね合わせてこのタイトルにした」

 そう話すDJ RYOWには新たな"夢"が生まれたというが、キャリア20周年、かつ10枚目のアルバムという大きな節目を経て、DJ RYOWというアーティストが目指すヴィジョンにはどのような変化が起きたのだろうか。

「前作の時は『ああ、これでもう10枚目なんだ』っていう感覚だったから、節目だからこうしようとかそういう思いはあんまりなかった。リリースしてから思ったこと? 『歳、とったな』っていうことかな(笑)」。照れくささを隠すためか、DJ RYOWはこう冗談を言ってから真剣に続けてくれた。「あとは、『この先、自分がまたアルバムを作りたいと思うのかな?』っていう思いもあった。それだけ魂を込めて作ったしフルパワーを出し切ったっていう感覚があったから、もうこれ以上は何も出てこないだろうなって。自分がやりたかったら勝手にやるだろうし、流れに任せるしかないかなっていう」

 そんな中で彼自身を次のステップへと進ませたのは、他のアーティストから受ける刺激だったという。無論そこには、今回のアルバムに参加した客演陣を含んでいる。

「毎週DJでいろいろな土地に行かせてもらってるけど、そういう時に人のライヴを見るのは結構好きなんだよね。そこで『あ、この子いいな』って思うこともあるし、YouTubeとかで新しい曲を見つけて『お、かっこいいな』って思うこともある。あと、気になってる誰かが名古屋にライヴに来る時は、スケジュールが空いてたら結構観に行くね。それが若い子でも、そこで全然普通に自分から話し掛ける。そういうので制作意欲が湧くっていうか。もちろん人柄とかもあるけど、いろいろ話すと一緒にやってみたいって思うんだよね。その繰り返しでここまで来たかもしれない」

 ビートメイカー/プロデューサーとしてのDJ RYOWの活動は、そんな繋がりから1曲、また1曲と生み落としていく日々の動きがあったうえでアルバムへと繋がっていくことが多いそうだが、今回最も大きなきっかけとなったのは"RUNUP feat. AKLO"だったという。

「あれは、今の目標(夢)について考えてる時に思いついた曲。あのビートができた時に、これを1曲目にしてアルバムを作りたいっていう明確な思いが出てきて。そこから、今までとはちょっと違う新しいものを作ろうっていう気持ちで動いた。だから今回初めて一緒に曲をやるアーティストも多いし、若い子もいっぱいいる。もう歳上も歳下も年齢関係なしに、今回のアルバムではとにかく新しいことをどんどんやっていきたいっていう風にマインドが変わったかも」

 そんな本作では、全14曲の収録曲すべてにミュージックビデオ(MV)が用意される。一般的には音源制作よりも映像制作の方が掛かる予算は大きいため、実現の障壁は明らかに高い。しかし、これもDJ RYOWが本作で挑戦したかった"新しいこと"の一環である。

「いろいろな監督に映像を作ってもらって、音と一緒に提示していこうと思った。だから、すべてがシングルみたいな感覚。もちろんまずは音楽で、MVありきではないけど、映像があればいつもより伝わるものは多いのかなって。ライトな人は映像先行でもいい。何かがきっかけでその人の耳にオレの音楽が届いて、少しでも興味を持ってもらえさえすればいい。映像はそのきっかけの一つだと思ってるね。制作費は掛かって大変なことも多かったけど、斬新だし、逆に伝わったらデカい。時代ごとに、レコード、CD、mp3ってフォーマットが変化してきたように、いつかこれが主流になると思う」

 とはいえ、事の本質は彼がヒップホップにのめり込んだ当時と変わっていない。

「インターネットなんて存在してない時代、オレはアメリカのライヴのビデオを見つけたら絶対買ってたし、その時に見た映像は今でもむちゃくちゃ頭に残ってる。やっぱり、若い時に影響を受けた音楽って歳をとってもずっと好きなんだよね。今の若い子にも同じように届いたらむっちゃいいなって思う」

 国内のヒップホップシーンが昔に比べて肥大化し、その裾野が広がったからこそ、だろう。それは"夢"と"現実"の間を埋めるには必要不可欠な動きとも言えるはずだ。DJ RYOWは本来の意味での"DJ"らしく、時代の流れを読んで、かつリスナーへも歩み寄る形で音楽と初期衝動を提供していく。

「オレは、若い時にとてつもないデカい夢を持ってなくて。だからたぶん、今こうなってるっていうのもあるけど。その時はただDJをやりたいとか、あの人たちと一緒のイベントに出たいとか、そういう低いレベルにいたから(笑)。その夢が18(歳)で叶っちゃって、『その後の夢や目標ってなんだろう?』と思いながら先輩の動きにただついていくだけで必死だった。でも、トコナメさん(TOKONA-X)とKEISHIが亡くなってから、ようやく自分個人としての夢とか目標ができて。そこからは自分の動きとタイミングで勝負してきた」

 ここまでのキャリアでDJとして追い続けてきた夢や目標について、そう答えてくれたDJ RYOW。冒頭で触れたとおり、すでに彼は次なる目標を見据えている。
「もっと大きいことをやりたいなって。まあやれるかどうかはわからんけど、挑戦だけはしたい。そういう目標で動き出した時に、物の考え方がいろいろと変わってさ。昔から頭の中にはあったんだけど、現実的じゃなかったから自分の中で抑え付けてただけ。今はいろいろな手段があるから、もっと視野を広げて新しいことを学ぶっていうのもすごく大切だなって思ってる。前作と今作を通して、歳はとったけど夢は大きくなっちゃったから(笑)。でも、結果よかったかな。前作を出して、完全に裏方に徹してもいいかなって思ってたくらいだし。いい意味で生きる目標ができました(笑)。どうせ死ぬからさ、みんな。その前にやってみたいなって」
 DJ RYOWが語る死生観は、やけに説得力がある。尊敬して止まない大先輩・TOKONA-Xの急逝から、今年でちょうど15年が経つ。その間に、DJ RYOWは日本を代表するヒップホップDJ/ビートメイカー/プロデューサーにまで成長した。「刺激を求めすぎてラスベガスまで行っちゃうときもあるけど(笑)」と冗談めかすが、それでも確かに彼はまだ愛する音楽に刺激を求めている。それは、「およそ20年前に受けた初期衝動に忠実である」とも言い換えられるかもしれない。そんな彼は近い将来、"羽が生えた気"でさらなる進化の過程に進むことだろう。


2019年9月11日 吉橋 和宏

DREAMS AND NIGHTMARES

発売日:2019年10月2日
品番/価格:VCCD-2027/¥3,000+税

Music Video Album

1. RUNUP feat. AKLO
2. no talk zone feat. JIN DOGG
3. 博徒2020 feat. "E"qual, SOCKS, ¥ELLOW BUCKS, AK-69, 般若, 孫GONG, R-指定
4. We Runnin feat. ¥ELLOW BUCKS
5. KAKUGARI feat. SOCKS
6. Celebration feat. Hideyoshi, Young Dalu, VILLSHANA
7. Dream Ship feat. Shurkn Pap, VILLSHANA
8. DANCE WITH ME feat. SOCKS, VILLSHANA
9. Call Me feat. SARA-J, Ymagik, さなり
10. 夢から醒めても feat. Jinmenusagi
11. エーマ feat. CHOUJI
12. Dream Melody feat. VIGORMAN, OZworld a.k.a. R'kuma
13. Sky's the limit feat. RIRI, SALU, SOCKS
14. DREAMS AND NIGHTMARES feat. NORIKIYO, PUSHIM

RELEASE TOUR


RELEASE TOUR

DJ RYOW × Red Bull コラボ企画!!!

DJ RYOW "DREAMS AND NIGHTMARES"RELEASE TOURで レッドブルを飲んでコラボステッカーをGETしよう!
さらに抽選で10名様に超豪華非売品ポスターをプレゼント!

応募方法

応募期間は終了致しました。たくさんのご応募有難うございました。

応募期間

10/5(土)〜11/30(土)

TOUR SCHEDULE

【NAGOYA at iD Cafe 3F】

『DROP HOP』
10.05(Sat) OPEN 19:00/CLOSE 1:00

¥ELLOW BUCKS
VILLSHANA
MC:G.O.T.O.

【OSAKA at GHOST ultra lounge】

『WAYUP SUNDAY』
10.13(Sun) OPEN 22:00/CLOSE 5:00

JIN DOGG
VIGORMAN
MC:G.O.T.O.

【OKINAWA at G+OKINAWA】

10.19(Sat) OPEN 22:00/CLOSE 5:00
CHOUJI
OZworld a.k.a. R'kuma
MC:G.O.T.O.

【TOKYO at HARLEM】

『MONSTER SPECIAL』
10.26(Sat) OPEN 22:00/CLOSE 4:30

¥ELLOW BUCKS
Young Dalu
Hideyoshi
SARA-J
Ymagik
Jinmenusagi
MC:G.O.T.O

FEATURING ARTIST


Equal

"E"qual

¥ELLOW BUCKS

¥ELLOW BUCKS

AK-69

AK-69

AKLO

AKLO

CHOUJI

CHOUJI

Hideyoshi

Hideyoshi

JINDOGG

JINDOGG

Jinmenusagi

Jinmenusagi

NORIKIYO

NORIKIYO

OZworld

OZworld

PUSHIM

PUSHIM

R-指定

R-指定

RIRI

RIRI

SALU

SALU

SARA_J

SARA_J

Shurkn Pap

Shurkn Pap

SOCKS

SOCKS

VIGORMAN

VIGORMAN

VILLSHANA

VILLSHANA

Ymagik

Ymagik

YOUNGDALU

YOUNGDALU

さなり

さなり

孫GONG

孫GONG

般若

般若